金融失策 20年の真実

 

金融失策 20年の真実

金融失策 20年の真実

  • 作者:太田 康夫
  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

経済活性化策であったはずの間接金融から直接金融への転換が銀行機能を歪め、経済危機を迎えてしまったことは誤算であると筆者は断罪する。

 

お金を持っているのは高齢者であって高齢者は元本重視だから株式などのリスクのある投資はしない。銀行に投信売らせたことによって目先の利益を追うようになり、売って終わりのビジネスに変わって消費者に寄り添うような銀行本来の機能は失われた。

また、金融検査マニュアルの弊害で赤字のある企業、財務基盤の弱い企業に融資ができなくなってしまった。

 

かつて、米国からの圧力で日本の金融は改革を迫られ、欧米の金融監督庁のやり方を真似してきたが日本では貯蓄から投資への改革を進める際に利用者の利潤を重視せず、業者の方だけを向いていたとあった。欧米はちゃんと利用者保護を重視しており、特に米国は金融消費者保護局(CFPB)などを設立したとあるが具体的にどういう保護をしているのかが書かれていなかったので知りたいと思った。ドッド・フランク法で定められたことなのでその辺を調べていきたい。

 

個人的には、貯蓄から投資への改革をやるんだったら高校生くらいからの教育に組み込むのが一番だと思うけど。

本書では難しくて飲み込めない部分もあったので1年後くらいに再度読み返したいと思った。