銀行はこれからどうなるのか
銀行がこれからどうなるのかについて分析し予測した本。
主な主張として、銀行というよりはバンキングサービスはこれから4つに方向に向かうとされているがもはや銀行が入っていけない領域なのでは?というのもあり銀行業のシュリンクは免れないというのを印象付けられた。
(従来の銀行だと今後厳しいもの)
「モバイル型」Alipayが代表格。大手ECサイトの決済サービスから始まっており邦銀が真似するのは難しい?
「クラウド型」Amazonの出店者に対する貸付のように商流プラットフォームを抑えるもの。
(従来の銀行でも今後頑張ってアドバイザリー収入を得る収益構造を強化したいもの)
「投資銀行型」銀行本来の姿。もっと企業と密に連携して
「プライベートバンク型」資産運用ソリューション。ウェルスマネジメントとして銀行が強化したい分野。
また、日本の銀行の3重苦は以下とされており
・貸出を伸ばせない
・利ざやが縮小する
・利回りがない
以下のように対処しようとしているとのこと。
・不動産業への貸出拡大
・手数料ビジネスへのシフト
・海外への展開
確かに3つとも数年前から力を入れられている分野である。
しかし、銀行側の人材不足、手数料ゼロのネット証券の台頭、未だに一般人の金融リテラシーが低いなどの理由が相まって特に手数料ビジネスについてはうまくいっていないような気がする。もっと銀行が専門性を活かしたアドバイザリー業務を行わなければ前述のプライベートバンク型にはなれない。
本書の後半では、日本の銀行業界のリーディングカンパニーであるMUFGと海外の同規模の銀行との対比を行なっており非常に参考になった。
MUFGが目指すべきなのは同規模の預金額を保有しながら高い収益性を誇るJPモルガン、HSBC。JPモルガンを目指すためにはアセットマネジメント関連事業に力を入れなければならない。海外の企業を買収してはいるが今後も継続拡大が必要。いかに顧客に海外の投資機会にアクセスできるような提供できるか。(国内顧客の資産を海外で運用するケース、海外顧客の資産を国内で運用するケース、海外顧客の資産を海外で運用するケース)成熟した国内市場を基盤として成長国への貸し出しエクスポージャを持ちたいMUFGからすると、HSBCは先を走っている企業だ。高いレベルでのリスク管理で成長国での貸し出しを拡大させている。
アセットマネジメントというものについて勉強してみたいと思った。