お金持ちはどうやって資産を残しているのか

 

私自身まだ30代で元気だし、相続を考えるような資産家でもない。なので、これまであまり興味がなかったが、相続について最低限の知識を、と思って手にとった1冊。個人資産の相続と事業相続について「相続税の節税」の切り口で分かりやすくまとめてあった。

遺産相続

  • 相続税が発生するのはある程度の資産がある人が被相続人になるときだけ
  • 基本が3,600万円で、相続人の数×600万円だから、私の場合子供は2人だから4,800万円。
  • 配偶者が生きている場合は配偶者控除があるのでほとんど課税されない
  • 法定優先順位は配偶者>子・孫>親>兄弟・甥姪
  • 遺言状は法定優先順位より優先される(例えば愛人に全部相続したりとか)
  • 争族にならないよう配偶者、子、親までは請求すれば一部は愛人から取り戻せる権利がある(遺留分減殺請求権)
  • 節税テクとしては、やはり「生前贈与」なのだが、毎年同じ日に同じ額だとダメらしい

不動産も資産としてカウントされるので元気なうちにポックリ死ぬと、4,800万円分の資産が遺っていることは有りそうだなと思った。と言ってもギリギリ課税対象になるくらいの資産では納税額も少ないのだが。

うちの実家は資産多分無くて、妻の実家が多分資産あると思うのだが、親父さんから妻が「嫁にいった人には遺さないから期待しないでね」と釘を刺されているのを聞いたことがある。遺言状にその通り書いてあったとしても、妻が遺留分減殺請求をすれば義弟からある程度取り戻せるということを知った。やる気ないけど。でも妻がそうしたいと言ったら私が止める資格あるかわからないけど。

相続の件でネットで調べていたら、2014年に亡くなった俳優・高倉健さんの遺産相続の話があった。同氏の遺産は40億円ほどあり、妻子がいなかった。高齢であったことから親も亡くなっている。兄弟は2人いた。となると上記の本に書いてあったとおり、兄弟及びその子供に遺産相続の権利がある。しかし、長年同居している女性がいて、本人の提案で養女になる手続きを行って遺産の全てを相続したとのこと。兄弟に遺産相続の権利が生じるには被相続人に配偶者、子、親がいない場合のみであり、さらに、兄弟には遺留分減殺請求権がないので、このケースでは兄弟は本当に1円も貰えない。

なぜ妻ではなく養女?と思ったのだが、80歳近い高倉健が結婚ともなれば、とんでもないニュースになるだろう。それを避けた配慮と思われる。実際、その養女になった女性のインタビューを見ても年齢差や性差を超えた付き合いで、妻というより伴走者であったとのことで納得できる。(実際本気で兄弟に1円も相続しなかったのだろうか、関係悪かったのだろうかという部分にモヤモヤしたものが残るが真相は知る由もない)

 

事業相続
中小企業のオーナーの事業相続に係る節税のために、会社の財務状況をわざと悪くして、株価を1円にすることで相続税を無くすというテクがある。株主が全て親族、関係者という状況でないと出来ない技だとは思う。個人相続のほうでも相続税の対象になる資産の価値をわざと毀損させるというのは裏技テクなのだろうか。やりすぎると国税庁とか来そうな感じはするけど。

 

勉強になりました。