「できる人」の話し方


職場で私が指示を仰ぐ立場の人がいつも不機嫌風にしている人で、
私や私と同じ立場の同僚が戦々恐々としている。
その人はまさに「忙殺」という言葉が似合う人で話しかけるにも、
毎度タイミングを伺わなければならないほど。
同じことを言わせまいと気を使いすぎて、必要な情報が引き出せていなかったり、
指示を聞き漏らして後で叱責されるという関係不良が起こっていた。
何とか自分のコミュニケーション能力を向上して、改善していけないかと考えており、
コミュニケーション向上をキーワードにこの本を釣り上げてきた。


2冊目の冒頭で、興味深い話があった。
黄金水(プラスの感情)と泥水(マイナスの感情)のバケツの話だ。
(まず、黄金水はSM用語ではないのでご注意願いたい。)
人間は黄金水と泥水の2つのバケツを持っていて、
黄金水のバケツが一杯のときに黄金水を注がれたら、相手の黄金水のバケツに返すのだそう。
泥水のときはその逆で、泥水にまみれて鬱積している際にはつい暴言に暴言で返してしまう。
常に周りの周りの人間に対し丁重であり、自分のバケツも、周りの人のバケツも黄金水
一杯にしておくことを目指さなければいけないのである。
ましてやお客さんからの泥水に泥水で返すなど言語道断。
ぐっと堪えて排水溝にでも流しておこう。


私が知りたかった答えは1冊目に書いてあった。
「アサーティブ型コミュニケーション」まさにこれである。
言いたいときに、言いたいことを、言いたいように言うこと、という気持ちのいい手法だ。
忙しそうだから、迷惑になりそうだからと萎縮せず、「服従型」では後で
コミュニケーション不良が起こっていたことが判ったときにお互い不幸になるから、
という気持ちで意思確認しながら進めなければならない。
ただ、「否定したときの代替案」や「相手への配慮、気配り」が伴わなければ
アサーティブとは言わないそう。以下、DESC話法を身につけたい。


相手の気分を害さずに自己主張するDESC話法
・Describe(事実、状況)
「今11時だよ」⇒事実なので否定できない
・Exmple(意思、説明)
「お父さん心配しちゃったよ」⇒iの感情なので否定できない
・Suggest(提案)
「だから、遅くなるときは電話を入れなさい」⇒提案を受け入れやすい
・Consequence(結果を示唆する、DESまででほとんどの場合OK)
「そうすれば、お前も安心できるだろう」⇒肯定型
「そうしないと来週からは外出禁止にするからね」⇒否定型


以下、役に立ちそうなことをメモ。


■クレーム対応
1) 丁寧、丁重「大変ご迷惑をお掛け致しました。申し訳ございません。」
2) よく聴く「私は○○です。責任を持って対応致します。」
3) はっきりと相手の名前を呼ぶ、連呼
4) 同情「おっしゃることは、よく分かります」
5) 相手の立場になって具体的にどれくらいで解決できるのかを言う「30分でお届け致します」
6) 感謝「おっしゃって頂いてありがとうございます」「今後とも宜しくお願い致します」


■上司への報告は「相談」にすることで怒られなくなる
「A商事への見積もり額、この数字で出しておきました」
「なんだ!この数字は高すぎて減額されるぞ」
「マニュアルどおりに計算したんですが・・・」
 ↓
「A商事へ出す見積もりはいくらぐらいにしましょうか」
「見積もりの出し方は教えただろ」
「その計算方法でやると、こんな額になってしまいますが、高くないですか?」
「どれどれ」
 ※また、報告は「事実」と「意見」を分け、意見は「これは私の考えですが・・・」と
  前置きしてから話すのがよい。

■説得力を出す話し方
時間がないときのPREP法
 Point(ポイント、結論をまず話す)
 Reason(理由を言う)
 Example(具体例、実例を挙げる)
 Point(ポイント、主張を繰り返す)