冒険家 75歳エベレスト挑戦記


昨年75歳でエヴェレストを征した日本人がいたことは記憶に新しい。
富士山や、エヴェレストからスキーで直滑降で有名な三浦雄一郎氏だ。
前に読んだ貫田氏の著作「二人のチョモランマ」のテーマは、
『普通のおじさんが世界最高峰へ』というものだったが、
三浦氏のこの本は『アンチエイジングを極める』ということだろう。


カラー写真が多数収録されているのが嬉しい。
アイスウォールを梯子で登る様子を見て、異常な低酸素濃度、極寒の中で
これが何百mも続くというのだからたまらないなと想像したり、
キャンプの中では誕生日を祝うケーキを焼いたりして楽しんでいる姿に
こんな極地でこうまでリラックスできるんだなと感心したりした。


写真で見る限りは年相応にしか見えない三浦氏だが、経験もあり、
政治など多方面で活躍する文化人でもあるから企業のスポンサーも
たくさんつけて、熟練のシェルパをいっぱい雇えたことだろう。
とはいえ、やはりただ事じゃない!これからも冒険を続けてほしい。


巻末の全持ち物リストでこの果敢なる作戦に思いを馳せることができる。
また、短い文章ながら、同行した次男・豪太さんの急性脳浮腫による
臨死(?)体験の寄稿には手に汗握る思いだった。