JavaからRubyへ


Rubyを褒め称え、やらない理由をなくすよう追い込んできて、
Rubyを現場に持ち込んで上司、顧客を説得してRubyの世界を
展開する作戦まで詳細に教えてくれる一冊。
布教作戦を本のテーマにしているのは初めて見たので驚いた。


Javaがだめな理由が興味深かったので纏めてみた。
ソースコードが多くなる(Rubyは少なくて、分かりやすい)
フレームワークの組み合わせが煩雑すぎ(Railsフルスタック)
C++のまねっこで、完全なOOPではない(Rubyは完全なOOP
・そもそもWebアプリケーション開発に適した言語ではない
・上記の理由から開発効率は悪くなる


対比して、自分の現場でなぜJavaを使い続けるのか考えてみた。
・ミッションクリティカル性が高い
・動作が速い
・スケーラビリティに優れてる(超巨大システムで動作する実績)
・超メジャーな言語なので要員が確保しやすい
・超メジャーな言語なのでコミュニティが充実している
・歴史があり、ノウハウが蓄積されている
・サポートしてくれるところがたくさんある


うちの現場は大手都市銀行なので、多少開発効率が悪いとしても
まだまだJavaからRubyへ乗り換える決め手にはならないかなと思う。
ただし、中小企業が予算を掛けずにいいものを作りたいのであれば
Railsは有効な代物だ。
また、SIerの立場からすると開発効率が悪い方が「むしろ稼げる」
ということになるわけだが、これは短期的な視点での考えである。
ユーザーがRubyを嗅ぎつけて、JavaRubyの二択になったときには
多くの中小、スタートアップ企業はコストの安いRubyを選ぶだろう。
そして、それが積み重なり、時間を掛けてデファクトになる。
先にRubyで仕掛けて、競合他社より多くの新規案件を取るほうが
長期的には稼ぐことになるのではないだろうか。


個人的にはこの本を読んでRubyで攻めに転じたいと考えさせられた。