日本を創った12人(後編)

お金がないのでよく図書館に行くようになった。
本屋で読みたいと思える本を探すのは簡単だが、図書館では難しい。
ディスプレイ方法にえこひいきが無いからだ。
普段どれだけ本屋の戦略にハマっているのだろうか。ハッとさせられる。


さて、その図書館で目に付いたタイトル、著者が堺屋太一ということで
借りてきたが、堺屋さんの本を読むのは初めてだった。
読んでみて、本当に自分独自の世界観を持っている人だなと思った。
歴史という幾多の専門家が踏み荒らした後のジャンルでここまで
独自な切り口があるのかということに感心させられた。


日本独自の文化、価値観、美徳があることは日本人として自覚がある。
それが創られるキッカケとなった出来事がこんなにもはっきりと史実として
残っていることに驚く。
日本を創ったとは言っても著者は諸手を挙げて賞賛を与えているわけではなく、
現代に与えた影響の悪い側面まで浮き彫りにしている。


石田梅岩が創った、「日本人の勤勉さ」
大久保利通が創った、「官僚主導の社会」
渋沢栄一が創った、「財界」
マッカーサーが創った、「物量崇拝と安全重視の倫理観」


歴史に名を残すとはこのことだな。良書でした。