週末作家入門

人に文章を読ませてお金が取れるというのはすごいことだと思う。
そこまではいかずとも、こうしたblogなどで一定の読者がいて
自分なりの考えを発信し世の中に影響を与えられるのはすごい。
頭の中で面白いこと、世の中にとって有益なことを考えている人は
実は結構いるんじゃないかと思っている。
しかし、それを文章にして公開している人は少ないと感じる。
矛盾がなく、構成もしっかりとして読みやすく、内容が斬新である。
しかもスラスラと書けること。こういった文章力は武器となる。
そういうわけで、自分も文章を書くトレーニングをしたいと
手に取った一冊がこれ。


私のようなリーマンは一日の時間のほとんどを外で仕事をして過ごす。
それが著者に言わせると、お金をもらって週末作家のネタ源として
貴重なビジネス体験をさせてもらっているということになる。
会社を辞めて作家として独立するよりも、二足のわらじで週末作家に
なるほうが、収入は安定し、面白い題材なら職場に転がっているし、
取っ掛かりとして選ぶジャンルもビジネス小説なら書きやすいのでは?
ということだ。


この本は上記のような週末作家への導入部分に特化していて、
他にも自分の人生経験から書きたい題材を棚卸するコツや、
プロットの作成方法、本を出版するためにはどうすればよいのか
といったノウハウも豊富に詰め込まれていて、非常に為になる。
少しだけ作家の世界を覗けたような気がした。


ただ自分は作家としてやっていきたいと思っているわけではないので、
もっと「文章力」を向上させるのに特化している本を次は選びたい。


著者のやっている創作ノートをつける習慣は是非真似したい。
人から聞いた話や、間接的に関わっただけのエピソードを自分の
言葉で一層伝わりやすく加工するというのは素晴らしい技術だ。