ウェブ進化論

遅まきながらこの有名な本を読んだ。
もう少し「ナウ」なときに読んどけば良かったと思わせる程、
Web2.0ロングテール等の言葉が登場した当時の超最新だった。


梅田さんの本は初めて読んだのだが、この人の文は爽やかである。
梅田さんくらいの年齢(アラヒフ)だったらある程度実績があり、
その経験を事例として説得力のある理論を展開していくのが常だ。
そして大概の場合その経験談が自慢っぽくなり、残念なことに
理論自体を陳腐なものにしてしまう。
それに対し梅田さんは自分の豊富な経験をひけらかそうとせず、
理論だけで説得してくる。その執筆姿勢自体に信頼感を覚える。


この本では時代の盟主となったGoogleの目指さんとしていることが
分かりやすく解説されている。
Googleと言えば、未だYahoo!に遠く及ばなかった時代のことを覚えている。
その時代から温めていた思想が今実現しているのだということに気づき、
無力感を感じざるを得ない。同業界にいて自分は何をやっていたのかと。
両社の差は、もはや検索エンジンとして同列に並べることもできない。


さて一番引っかかったキーワードのロングテールWeb2.0の関連だが、
Googleのほかにアマゾンが具体化して新たな経済圏を生み出している。
ロングテールとは限りなく0に近いマイノリティの経済であり、
そこでの取引をプログラムと十分なインフラで自動化しすることで、
それらの全てを集積した市場を全てかっさらおうということをやる。
そこにアマゾンの商品情報APIが、Web2.0ツールのblogやSNSなどと
組み合わさって連鎖現象が起こる。


こんなに大きなデッドスペースが残っていたんだなぁと感心する。
自分もウェブの未来に何かできることを探したい。