SEの転職力

SEの転職力とは、転職する際のテクニックではなく、
転職で自分のキャリアを形成していく力だと言う。


本書ではまず、メーカー系、ユーザー系、独立系のSIer各種の
それぞれの良いところ、悪いところが分析されている。


・メーカー系
 親会社が安定して仕事を仕事を取ってくれば安泰だが、
 そのメーカー製品に技術が偏る(←大したデメリットじゃないが)


・ユーザー系
 親会社が安定していれば安定して仕事が入ってくるが、
 上司が親会社からの天下り
 

・独立系
 資本関係がないので幅広い客層、どのメーカーの製品でも使える
 しかし、親会社が居ないので不景気のときは誰も助けてくれない
 (これは私の感想だが独立系はメーカー系・ユーザー系の会社に
  こき使われる運命)


また、クライアント企業は「基幹業務ウェアを入れたい」とか、
CRMやりたい」とか明確な要件をSIerに持ってくる時代から
漫然とした経営上の問題を「システムでどうにかなんない?」と
いう感じで相談しに来るという。
そこで、自前でコンサルティング部門を持っていない企業だと、
先にコンサルティング会社が仕事を請けてその下請けになって
しまうのでイケてない。
これはうちの会社がまさに当てはまる・・・。


で、SIerに勤めていた人たちが飛び出す先としては大体、これら。
・ITコンサルタント
・ユーザー企業
・ネットベンチャー


私としては、ITコンサルタントに転職すると言うのが
一番イメージが付きやすい。
私の強みは大銀行で大規模プロジェクトのPMを経験していること
分散の開発スキルと、まだPMにしては若いということである。
恐らく条件の良い転職は出来る。
ただ、劇的に給料上がるとは思えないし、
きっと代わり映えしない仕事をして、きっと激務!であろう。
人間関係も一からだし、外様は役職に付けないかも知れない。
そんな疑念があり、どうも積極的にはなれないでいる。


また、ユーザーはまだしも、ユーザー系SIerにあごで使われるのは
少々食傷気味であるという気持ちもある。
となれば、ユーザー企業のシステム部門に転職して、SIerをあごで使って
自分の理想のシステムを作ったらいい。
給料も一流企業であれば良いだろう。しかし、この本曰く、会社の中の
自分の位置づけとしては裏方、閑職になる覚悟を、とのこと。
確かにそうだなぁ。


色々良い面、悪い面考えられる、100%完璧な転職なんて無い。
決められないのは、「自己分析」が出来ていないから、と著者は言っている。
著者の示す自己分析の手順は以下の通り。

  • 今の会社で「満たされないもの」が何かを分析する
  • 今の会社で「満たされているもの」が何かを分析する
  • 自分の価値観、思考特性、行動特性を理解する
  • 自分にとって絶対に譲れないものを理解する
  • 3年後、5年後の自分の姿をイメージしてみる
  • 次のキャリアで何をすべきかを考える
  • 自分の武器で次のキャリアを手に入れられるかを検証する


これをやると、結構現状満たされていることに気がついた。
満たされていないものはこれ。

  • 年収
  • 会社にブランド力がないこと
  • 社会に対し仕掛けていく業態でないこと


じゃあ、これが満たされていればその他全て捨てて行けるのかということ。
守るべき家庭もあるし、熟慮して決めたいと思う。
この本が色々考えるきっかけになった。