遮那王義経

最近小田原城に行って後北条氏の歴史を学んだことや、
アンゴルモアという漫画に安徳天皇が出てきたことで
間接的に源平合戦に関心が起きたので漫画から入ってみた。

 

遮那王義経 」全22巻、「遮那王義経 源平の合戦」全29巻を連続して読んだ。

今まで平安時代源平合戦関連をスルーしてきていたが
この漫画を読んだことで一気に興味が湧いてきた。

漫画らしくドラマチックかつ笑えるシーンも多いが、
あとでWikiや日本史の本でストーリーをなぞってみると
平家物語」「源平盛衰記」「義経記」「吾妻鏡」等の
古来の歴史書や物語など義経に関する文献を確り踏襲しており、
史実でも表舞台に出てくる源平合戦が始まる直前からを描いた
源平の合戦編では特に
「このエピソードって漫画の脚色じゃ無かったんだ!」
という箇所がいくつもあって驚いた。
中世の昔から大衆からは「義経=悲哀のヒーロー」の
イメージがあったので(これを判官贔屓という)、
義経記などの物語では結構ドラマチックな仕立てになっており
漫画で脚色せずとも、元々漫画のような話であったのだ。

義経がらみではないが、安宅の戦いで斎藤実盛が討たれるところも
ドラマチック。これも忠実再現なんだな~。
あとは歌舞伎で有名な勧進帳のシーンは頼朝と対立して山伏に扮して
逃げ回っている途中の関所での話だったんだ、と気づいたり。

これはさすがに漫画オリジナルだと思うけど、
清盛の死の間際の義経との密会時に敵である義経に対して
「なぜ自分の息子に生まれてこなかった」と本心を語るシーンが
清盛=大敵の構図を揺るがせ、ストーリーに深みを持たせる
とても印象的な演出であった。
次点はやはり弁慶の立往生を始めとして、衣川の戦いで
義経の郎党が次々に殉死するシーンだろうか。あれは熱い。

次は平家物語(現代語訳)を読んでみたいと思った。
学生時代、意味も分からず唱えていた「祇園精舎の鐘の声・・」
の書き出しが今なら胸に響くだろう。
木曽義仲の火牛の計で有名な合戦のあった古戦場は
実家から車で20分ほどだが今まで行こうと思わなかった。
今は誰と誰がどういう背景でどんな戦いをしたのかわかるので
とても行ってみたい。あと鎌倉も改めて行きたい。平泉も。
義経物の歌舞伎や能も楽しめるのではないかな。