人工知能は人間を超えるか

ちょっと前の本だが、「人工知能は人間を超えるか」という本を読んだ。
シンギュラリティより、MicrosoftGoogleに支配された時のようにアメリカにAIを持っていかれることの方が怖い。という部分が印象的であった。
日本はGoogleのように検索で得た情報をマーケティングに生かすと言う様な応用を効かすことがすごく弱いし、多角的にやっている企業も少ない社会であるためこのままでは日本のメーカーは苦しむことになる。しかも、AIはどんな産業にも応用可能であるため、そのインパクトたるや、OSをWindowsに獲られた時よりも深刻ではないかとのこと。

また、なぜ今まで人工知能が実現しなかったか?ということについては、これまでの機械学習では何を特徴量とするかは人間が決めなければ行けなかったが、今のAIは、データから特徴量を取り出し、概念を自分で定義すると解説されていた。ディープラーニングは、ニューラルネットワーク?(自信無い)の 入力 - 隠れ層 - 出力 の隠れ層を、次の階層の入力とすることでより高次元の特徴量をつかむことが出来るという。

機械翻訳には、この例文の解釈が分からないという例えが秀逸であった。
He saw a woman in the garden with a telescope.
In the garden なのは、He か woman かということは人間の経験としてどちらがあり得えそうなのか、情景を思い浮かべないと訳すことができないそう。

仕事でAIを扱っている人に聞くと、まだまだ出来ることが少なく、学者は「世間は騒ぎすぎ」と思っているとのこと。
夢のある分野であり、海外の企業も盛んに投資をしていることからいつかブレイクスルーを得て新たな世界が拓かれるという気持ちになる。

言葉メモ:
ヘビーウェイト・オントロジー=人間が考えてきちんと知識を記述していくにはどうすればいいかを考えるもの
ライトウェイト・オントロジー=コンピュータにデータを読み込ませて自動で概念間の関係性を見つけようというもの
第五世代コンピュータ通商産業省(現経済産業省)が1982年に立ち上げた国家プロジェクトの開発目標。570億円を費やし、1992年に終結した。